【バスケット】リバウンドの重要性の再確認

【バスケット】リバウンドの重要性の再確認

バスケットを経験してきた人の多くが、バスケット漫画「スラムダンク」を読んだ事があるでしょうか。

その漫画の中の言葉

『リバウンドを制する者はゲームを制す』

この言葉を聞いた事があるだろうか。

リバウンドを取れるかどうかでその後の試合の流れが変わると言っても過言ではありません。

ここでは「リバウンド」の重要性を疎かにしている指導者・プレイヤーがまだたくさんいるので再確認したいと思います。

リバウンドとは

リバウンドとは仲間、および相手がリングに向かってシュートを放った際に外れたボールを取る事を言いますが、ただ手を伸ばしてジャンプをしても簡単に取れるものではありません。

では、ここで何が必要になってくるのか。

それが『ボックスアウト』または『スクリーンアウト』になってきます。

ボックスアウトとは

ボックスアウトとは、ゴール下のフリースローレーンがある台形…今は長方形になってきていますが。この台形がいわゆるBoxでアウトは外になるので『相手を台形の外へ追い出す』というのが「ボックスアウト」になりますね。

ボックスアウトで重要なのが、

・シュートが放たれたら素早くターンをし相手を背中部分に密着させ動きを封じる

・素早くボールを視野に入れる

・ボールに対して身体の前面を向けている

・リバウンドを取りやすい好位置を取る

これらを「相手を台形の外へ追い出す」ことと並行して行わなければなりません。

スクリーンアウトとは

スクリーンアウトとは、ボックスアウトと同じようにシュートが放たれたら素早く相手に密着させリバウンドを取ろうとする動きを封じる事です。

スクリーンとは壁の役目でもあるので、必ずしも背面ではなく側面でも大丈夫でしょう。

スクリーンアウトもボックスアウトも素早く相手に密着させ動きを封じることで、自分がリバウンドを取るための好位置をキープする事が重要になります。

ただ、ボックスアウトはリバウンドを取りやすいとされる台形の中に相手を入れないことなので、背の低いチームには特に有効かと思います。

なぜならボックスアウトをしても、リバウンドを取るために上にジャンプをしてはとても敵わないからです。

ならば、好位置をキープして相手をボールに近づけないことでリバウンドを取ることがしやすくなるのです。

基本はボックスアウトになりますが、スクリーンの一種としてスクリーンアウトとも言いますので、リバウンド時は「ボックスアウト」と「スクリーンアウト」とチームでどのような姿勢で挑むのか決めておいた方が良いでしょう。

ただ、試合は何が起こるか分かりませんので状況に応じて瞬時に判断できると良いですね。

ボックスアウト時の注意点

リバウンドを取る際にはボックスアウトをするべきですが、この時気を付けておきたい点がいくつかあります。

・しっかり1歩相手に近づいてからターン

・腕で相手を押さえつけない

・上半身を前傾させない

・背部に密着させる

・強引に押し出さない

・ボールに対しておヘソを正面に向ける

などです。

1歩相手に踏み寄らないと「隙間」が出来てしまい、「人」に対してしっかりとボックスアウトが出来なくなります。

相手もリバウンドを取ろうと必死に前に出ようとしますので、動いている相手にどうしても腕で押さえつけようとしたり掴んだりしてしまう事があります。

(原因としては動作が遅れて背面で密着させておらず動きを封じれていない為、簡単に動かれてしまう)

それではせっかく取れそうでもファウルを取られてしまうので、気を付けましょう。

手で掴んでしまうという事は、手が後ろにいってしまっているので、目の前にボールが来た場合すぐに対応する事が難しくなってしまうので最大でも肘まで、そして手はボールに対応できる準備が望ましいです。

あとは背面に相手を密着させる訳ですが、上半身が前傾して(前に倒れて)しまうと相手が触れるのがお尻だけになったり見失ってしまったりしますので、必ず上半身は起こして相手を背面に密着させたいですね。

そして好位置をキープする事が出来ないからと無理矢理相手を押し出してしまうと、それもファウルを取られてしまう恐れがあります。

その為には、シュートが放たれたら素早くターン、密着、位置取りをする必要があります。

ボールに対しておヘソを正面に向けるというのは、せっかく素早くターンをして背面に密着させてもボールが自分の横にあったら相手は簡単にすり抜けて奪ってしまいます。

ボールがアイドルだったら相手は熱狂ファンです。熱狂ファンが必死にアイドルに触ろうとするのを守るのがSPの役目です。

常に壁役となる為に熱狂ファンを背中で動きを封じてあげないといけません。

ミニバスでのリバウンド

どうしても、小学生のミニのうちは手を上げて物乞いするかのように、ゴールに向かってしまう事が多いですが、ミニのうちにボックスアウトの重要性・効果を知り体得しなくては中学校にあがってからでは、身につけることが困難になってしまいます。

中学でも、大会前にボックスアウトを徹底するだけでも違います。

なので、可能な限りミニのうちにしっかり練習に取り込みましょう。

練習方法

まずは2人1組でやります。

オフェンスがボールを持ち、ディフェンスは対面します。

台形より1歩ほど離れた位置からオフェンスがシュートを放ち、ディフェンスは同時にターンをし背面に密着させ動きを封じボールに近づけさせない。

①オフェンスはシュート後動かない

②オフェンスはシュート後リバウンドを取ろうとする

③パスを受けてからのシュート・ボックスアウト

④2対2、3対3と人数を増やしていく

⑤5対5の形でハーフ

最終的に試合形式という感じで段階を踏んでいくのがいいでしょう。

③の後位に連続してシュート→リバウンドを繰り返すと、試合中一度のシュートに対してリバウンド一回、で終わらない練習にもなります。

これは誰か一人でもサボれば台無しになってしまうのでコート上のプレイヤー全員が出来るように、忘れている子がいれば止めてやり直してもいいでしょう。

全員で徹底しないと、いざ試合になったら使い物になりません。

低学年・初心者・ボックスアウト経験がない

上記の子達は、いきなりボールを使っても難しいと思うので、まずはボールを使わず

①始めは、最初から背面を密着させて動きを封じる

②対面から素早くターンして背面を密着させる

③オフェンスに動きをつける

ここまで出来てからボールを使うといいでしょう。

それも難しければオフェンスをつけないで動きの練習だけでも大丈夫です。

リバウンドのキャッチ時の注意点

頑張ってボックスアウトしてリバウンドを取ったのに、直後にボールを奪われてしまった…なんて経験ありませんか?

それはキャッチの仕方が悪いからです。

リバウンドのキャッチ時は、いかに自分の陣地を大きく取れるかが大事です。

足を開いていないと棒立ちの状態で相手に囲まれフラついてボールを離してしまう、という事になりかねないのです。

なので、しっかり足を開き膝を曲げ、上体を起こし肘を張り手首を入れておく。

その際にボールを下げてしまっては、ボールを掴まれてヘルドボールになりやすいので注意が必要です。

そのスタンスがキャッチ時にきちんと取れていれば、いつでもピボットを踏めるしパスも捌けるようになるので、せっかく取ったリバウンドも相手に奪われる心配も減ります。

リバウンドキャッチの練習

ボールを使い、壁・ボード・真上と投げて返ってきたボールをキャッチします。

この際に意識したいのが、

・キャッチ時ボールを素早く引き寄せる

・足は肩幅より広めで膝は曲げる

・肘は軽く張るくらいで陣地を取るように

・ボールを下げずに上体を起こす

初めのうち、または低学年など小さいうちは「キャッチの動作」が難しいと思いますので「両手」で大丈夫でしょう。

慣れてきた子、もしくは高学年・中学生なら「片手」でワンハンドキャッチが出来るようにしておきましょう。

なぜなら、両手を伸ばすよりも片手を伸ばした方が、より高い位置でボールに触れることが出来るからです。

相手のリバウンド力が上回っている場合

最近、ミニバス・中学の大会上位にあがってくるチームではリバウンドを重要視して徹底練習してくるようです。

実際に短期間でも「短期集中」でかなり良い感じに仕上げてきていると思います。

一見これは強い!と思えるような試合の流れではないのですが、開始5分もせずにボックスアウトでのリバウンド成功率が目につきます。

そこから一気に流れを掴み勝利を引き寄せてますね。

このように、いくら練習をしてきてもリバウンド力の高いチームは存在します。

・ボックスアウトで好位置を取れなかった

・動きを封じきれずに飛ばれてしまった

・逆に動きを封じられ取られてしまった

このようなことも試合中はよく起こる事です。

では、そういった時も同じように同じ土俵で勝負するべきなんでしょうか。

対処法

シュートが放たれた次の瞬間にはほぼリバウンドの勝負が決まってしまいます。

その時に完全に出遅れてしまったなと思ったら、同じようにボックスアウトするのではなく、次なる対処をしましょう。

・一瞬下がって(相手から離れて)出来た隙間でポジションを取り直す

・相手が飛んだらタイミングをずらしてボールを狙う

・キャッチされて着地した瞬間を狙う

このように、同じ事をしてリバウンドの負けパターンを作るよりも、次なる準備をした方が良さそうです。

なぜかというと、リバウンドに出遅れた場合は攻守の切り替えの準備も遅れてしまっている可能性が高い為、相手にリバウンドを取られたり、または取られた位置によっては「速攻」を出されてしまう恐れがあります。

なので、シュートが放たれてからリングに弾かれ、ボールが落ちてくるまでにボックスアウトによる好位置取りができなかった場合は、これらが出来るとより自チームのリバウンド率を上げることも可能です。

ただし、あくまでもボックスアウトがしっかり出来ることが前提ですので、ボックスアウトもきちんとできない状態でこれを練習しては元も子もないですからね。

まとめ

今回は「リバウンドの重要性」についてお話ししました。

リバウンドは攻守ともに流れを作る上でとても重要です。

オフェンスであれば、シュートを打つ人にとって仲間がリバウンドを取ってくれるという安心感も相乗してシュート率の安定にも繋がります。

ディフェンスであれば、シュートが打たれないという事はまずありません。その打たれたシュートが外れた、2点入っていたかもしれない物が0点で済んだ。しかし、ディフェンスリバウンドを取られるという事は、得点を決められるまでシュートチャンスを与えてしまうという事ですよね。

わざわざ外れたものを、もう一度相手に与える必要がありますか?

ディフェンスをしているよりもオフェンスの回数が増えなくては得点に繋がりません。リバウンドは自分たちの攻める回数を増やしてくれるのです。

手を挙げているだけではボールは来ません。一緒に飛んだってそうそう取れるものではありません。

ならば、ボックスアウトで相手をボールに近づけないようにすれば、自分たちがリバウンドを取れる確率が上がるのです。

もう一度言います。

あなたのリバウンドで試合の流れが変わります。

そのリバウンドで勝利に近づきましょう!